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美容室開業資金を借りるなら、まずは日本政策金融公庫へ

美容師としていつかは独立開業したい

このサイトをご覧になっているあなたは、美容師として独立開業を目指していらっしゃるのではないでしょうか?
美容室で働くひとの数は、日本全国で50万人といわれています。
ほとんどすべての美容師にとって、自分の美容室・美容院を開くことは夢であり、目標です。
内装にも凝った素敵な空間にお客様をお迎えし、多くの女性に美しくなっていただく。「まあ、綺麗!」と笑顔になっていただく喜びは何物にも代えがたいものです。
美容室は過酷な職場だといわれています。でも、一生懸命に働くことができるのは、お客様が綺麗になった時の喜びを共有したいと思うからです。
そして、その達成感を知ったなら、一度は自分の美容室を・美容院を開き、思い通りの仕事をしてみたいと、誰しも考えます。
しかも、美容室はオーナー経営者だけが経済的に潤い、勤務するスタッフのお給料はかなり抑制されているのが通常ですから、快適な暮らしを手に入れるためにも、自分の美容室・美容院を持つことは譲れない目標になってきます。
ところが、美容室・美容院を開業するには資金が必要になります。
あなたは出店のための資金をすべて貯金やご親族からの資金援助で賄えますか?

美容室成功は、十分な資金の確保から

美容室・美容院は、売上代金が毎日現金で入ってきます。 なので、いったん開業してしまえばその後の資金繰りは楽になると考えがちです。
ところが、開業してみたところ、イメージしていた売上と利益にはほど遠いという美容室が少なくありません。
資金繰りの苦しい美容室・美容院の経営者の多くは、店舗立地と内装に問題があると考えています。
この分析はおそらく間違ってはいないでしょう。
オシャレな印象がない地域や、人通りの少ない場所に店舗を構えても、お客様はなかなかやって来てくれません。
居心地の良い空間を提供しなければお客様はリピートして下さいません。
しかし、この2つの問題点は、美容室・美容院を開業した後には改善が困難です。
では、なぜ、このような2つの分かり切った問題を開業時に解決できなかったのでしょうか?
それは、開業前に用意した資金が少なかったために、投資額を削って、妥協の産物としてその場所にその内装で出店したからです。
すなわち、十分な資金を用意しなかったが故に、開業後に取り返しのつかない失敗をおかしてしまったのです。
あなたがもし、これから美容室・美容院を開業しようとしているのであれば、このような失敗を避けたいと思いませんか?

では、開業のための必要額に達するまで貯金をしなくてはならないのでしょうか?
必要な資金が2,000万円だとして、今の収入から生活費を差し引き、残りを貯金した場合に開業までに何年かかるでしょうか?

日本政策金融公庫からの借り入れが成功への近道

いち早く開業したいけれど、美容室開業資金を貯めるために時間がかかるというこの問題をあなたはどう解決しますか?
簡単に借りられるからといって、消費者金融やカードローンを利用したのでは、金利が高いため返済が困難になるでしょう。
そもそも、美容室・美容院の開業資金はカードローンなどで賄えるような小さな額ではありません。
だからといって、銀行に借り入れのお願いをしても、銀行は実績と担保のない新規開業者には融資してくれません。
新規開業のための資金を安い金利で簡単に借りられる仕組みはないものでしょうか?

実は、美容室・美容院出店資金を低金利で簡単に借りられる金融機関があります。
それが日本政策金融公庫です。
日本政策金融公庫は、政府が出資している政府系金融機関のひとつです。新規開業を増やして、日本経済を発展させること等を目的として運営されています。
ですから、民間の銀行では困難な新規開業事業者への融資を積極的に取り扱っています。
もし、あなたが手許に十分な資金を用意できない状況で出店を検討していらっしゃるのであれば、日本政策金融公庫からの借り入れを真っ先にご検討いただきたいと思います。
日本政策金融公庫から融資を受けることで、あなたの開業は成功に大きく近づきます。

そして、もし、あなたが日本政策金融公庫からのお借り入れが難しいとお感じでしたら、我々にお借り入れのサポートをさせて頂けないでしょうか。
資金調達コンサルティングを専門とする公認会計士・税理士があなた様のお借り入れを成功に導きます。
我々には資金調達成功の自信があります。ですから、お借り入れが実現するまでは1円も報酬を頂戴することはございません。
完全成功報酬にて、資金調達コンサルティングをお引き受けさせて頂いております。
どうかお気軽にご相談ください。

美容室開業資金に限らず日本政策金融公庫は借りやすい

美容室の開業資金を借りに行くとしたら、日本政策金融公庫がいいだろうというのはよく聞くはなしです。
あなたも先輩美容師から開業時の資金調達の苦労話として、公庫からお金を借りた話を聞いたことがあるかもしれません。
日本政策金融公庫が美容室の開業資金をバンバン貸しているというのは、間違いありません。その通りです。
銀行に借りに行くよりも公庫はずっと借りやすいです。
銀行がリスクを負って資金を貸し出すのは、過去の経営成績と財政状態に問題がない事業者だけです。
美容室を新たに始めようとする場合は、過去の成績がありませんから、銀行は原則としてお金を貸さないというスタンスです。
ところが、日本政策金融公庫は違います。
これまで金融機関からお金を借りた経験がまったく無い美容室勤務の方々にも、日本政策金融公庫はお金を貸してくれるのです。
もちろん、日本政策金融公庫なら誰にでも無制限でお金を貸すということはありません。
返済が困難と思われる事業には貸してくれませんが、勤務美容師として普通に過ごしていれば、日本政策金融公庫は1店舗目の開業資金は貸してくれます。

国民生活事業の窓口へ申し込もう

最近では、当事務所にお借り入れのご相談にみえる開業希望者様の大半は、事前に日本政策金融公庫のウェブサイトをご覧になっています。
公庫のウェブサイトをみれば、借りる手順も、最寄りの店舗も詳しく書かれています。
初めて日本政策金融公庫をご利用になる美容室開業希望者様にとっては、説明が細かすぎるほどです。
皆さんが最初に戸惑うのは、日本政策金融公庫に相談しに行こうと考えて、管轄の支店を検索した場合に、ひとつの支店の中に「国民生活事業」、「中小企業事業」と「農林水産事業」の3つも連絡先が記載されている点です。3つの中からどこに電話をしたら良いものかとお迷いになるようです。
美容室を新規開業する場合に農林資産事業の窓口に電話をしてみようとお考えになる方はいらっしゃらないでしょうから、国民生活事業と中小企業事業のどちらに電話をするべきなのか迷うことになります。
生活資金を借りるのではないので、美容室の開業資金の相談は中小企業事業の窓口に連絡すべきなのかという疑問です。
実は、これ、「国民生活事業」の窓口が正解なんです。
1店舗美容室を出店しようとする新規開業の対応をしてくれるのは、3つのうち、「国民生活事業」の窓口と決まっています。
1店舗の美容室は中小企業に違いないのですから、中小企業事業の窓口に相談するのが、(名前だけみると)正しいような気がします。
でも、そうではないのですね。
公庫に借りに行く側からすると、これは不親切なネーミングだと思います。
日本政策金融公庫は、それまで別々の政府系金融機関として存在していた国民生活金融公庫、中小企業金融公庫および農林漁業金融公庫の3つが平成20年に統合されてできた経緯があります。ただ、3つの組織が統合されたといっても、それは看板を付け替えただけで、実際には内部は3つに分かれたままです。
平成20年の統合より以前は、1店舗の美容室を開業する新規開業の融資は国民生活金融公庫が担当していましたので、統合後は国民生活金融公庫の人たちがそのまま働いている国民生活事業の窓口が担当ということになっているのです。

日本政策金融公庫以外に制度融資も利用できますが・・・

突然ですが、銀行と証券会社の考え方の違いの話をしますね。
新規事業を始める場合は、どこかからお金を借りてくるの(デット)ではなく、リスクを引き受ける資本(エクイティ)としての拠出を受けることが一般的です。
新規事業は、成功すれば元手が10倍、20倍と儲かるかもしれません。
新規事業を10個始めて、その内9つが失敗、残り1つが成功して元手が20倍になれば、全体でみた場合に投資額は2倍になっている計算です。
これは証券会社の人たちの考え方です。
銀行の人たちの考えとは、根本的に発想が異なります。
銀行がお金を貸す場合、すべての案件で100%元本を回収することが前提となります。
その代わりに、銀行が受け取る金利は2%や5%といった低い水準に固定されるのです。
銀行が新規事業にお金を貸してくれないのは経済合理性のある行動です。
このように取組方針が決まっていますので、銀行は新規事業にはお金を貸さないスタンスをとるのです。
けれど、これではお金のない人は美容室を開業できません。美容室以外も起業しにくくて、日本経済の発展にもマイナスです。
そこで、公的な部門が新規事業にお金を貸す仕組みが設けられています。
それは、日本政策金融公庫と制度融資の2つです。
新しく事業を始める場合に利用できる借り入れは、日本政策金融公庫と制度融資の2つだけと考えて頂ければほぼ間違いありません。

女性、若者/シニア起業家支援資金を勧められることが多い

美容室開業資金の融資を受けたいと考えて日本政策金融公庫のウェブサイトを開くと、最初にクリックするのは「融資のご案内」のアイコンではないでしょうか。
おそらく資金調達を考えて日本政策金融公庫のウェブサイトを訪問する人の8割以上は「融資のご案内」から入ります。
ところが、この「融資のご案内」がとても読みにくいのです。
融資制度の検索が一番上に掲げられているため、ここから入ってしまうと、断片的にいくつかの融資制度が挙がってくるので、全体を俯瞰することができません。
そこで、次に、融資制度の一覧を開くことになるのですが、何十種類もの制度が融資限度額や融資期間とともに示されています。
損のない選択を目指すのが人間の心理ですから、これだけ多数の選択肢を示されますと、どれを選んでいいのかがわからず、結局、利用そのものをやめてしまうと思うのですが、公庫のウェブサイトはもうちょっと初心者にもわかりやすい構成にしていただきたいものです。
実は、美容室の開業資金についてはどの融資制度で借りるかはほぼ決まっています。
いきなり日本政策金融公庫を訪問して美容室開業資金を貸してほしいとお願いした場合、公庫の担当者は「女性、若者/シニア起業家支援資金」という融資制度を利用できないかと考えます。
なぜなら、美容室は法律用語でいうところの生活衛生関係営業というくくりにカテゴライズされるのですが、生活衛生関係営業を営む場合は、日本政策金融公庫に借り入れを申し込むに際して、原則として、都道府県知事の「推せん書」または、生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」が必要ですということになっているためです。美容室の開業資金を借りる相談については、本当は公庫に直接押しかけても駄目だということになっているのです。推せん書または振興事業に係る資金証明書をとってから公庫は受付けることになっています。
ところが、「女性、若者/シニア起業家支援資金」という融資制度を利用して借入する場合には、この推せん書または振興事業に係る資金証明書が必要ないというルールになっているのです。
他の事業で開業する場合と異なり、美容室を開業する場合のお借り入れ申し込みには、このような面倒な手続きが原則として必要とされているため、これを回避するために「女性、若者/シニア起業家支援資金」という融資制度の利用を真っ先に検討するのです。
幸いにも、「女性、若者/シニア起業家支援資金」は、女性または30歳未満か55歳以上の人が事業を始める場合に利用できることになっています。つまり、30歳から54歳の男性だけが利用できない融資制度になっています。ですので、美容室を開業する人の7割程度はこの融資制度を利用できています。
そして、「女性、若者/シニア起業家支援資金」は低い利率(特別利率Aとして規定されています)が適用されるため、金利も安いのです。
手続きの面倒がなくて、金利が安くて、7割程度の申込者が利用できるのですから、公庫の担当者が最初に「女性、若者/シニア起業家支援資金」を利用できるかどうかを検討するのも当然ですね。

30歳から54歳の男性の場合

30歳から54歳の男性が美容室を開業する場合、残念ながら「女性、若者/シニア起業家支援資金」は利用できません。
では、もし、このサイトをご覧になっているあなたが30歳から54歳の男性で、美容室を開業する場合、絶対に都道府県知事の推せん書が必要なのかと問われますと、これは絶対ではありません。
設備資金が300万円以下の場合は、都道府県知事の推せん書は不要とされています。
300万円以下の設備資金を借りるだけで済むのなら、その場合は直接、日本政策金融公庫にお借り入れを申し込めば融資を受けられます。
そうしますと、30歳から54歳の男性が美容室を開業するために300万円を超える設備資金を借りる場合のみ、ちょっと面倒ですが、日本政策金融公庫からお金を借りたいという相談を公庫に最初にするのではなく、都道府県知事の推せん書をもらう手続きから始めなくてはならないということになります。
この推せん事務は生活衛生営業指導センターに委託されていることが多く、都道府県の生活衛生営業指導センターに申請を行うことになります。
インターネットで「生活衛生 推せん 東京都」という具合に都道府県名を入れて検索すれば推せん書を申請する窓口はすぐわかります。
この生活衛生営業指導センターが公益財団法人だったりしますので、世の中の仕組みというのは色々な権利関係がからんで複雑だったりするのかしらんなどと考えながら申請することになります。
推薦書交付願などの書類を作成する手間はかかりますが、誰でも推せん書はもらえますので、心配はいりません。
推せん書をもらえたら、日本政策金融公庫に「一般貸付」の融資を申し込みます。
こちらは「女性、若者/シニア起業家支援資金」よりも利率が高いため、金利負担が若干増えます。

どの融資制度で申し込んでも借りられる確率は同じ

美容室開業を希望していらっしゃる方にとっては、どの融資制度を選べば一番借りやすいかというのが最大の関心事でしょう。
実は、「女性、若者/シニア起業家支援資金」も「一般貸付」も(他にも振興事業貸付などがありますが)日本政策金融公庫がお金を貸してくれるかどうかは、同じ審査の手続きで判断されますから、難易度はほとんど変わりません。
金利の違いも実はそれほど大きなものではありません。
開業準備中のあなたは、公庫訪問前からわずかな利率の心配などしている場合ではないはずです。
借りられなければそもそも独立開業できません。
そう考えますと、どの融資制度を利用するかを考えるのはあまり重要な意味がないことだとわかります。
創業計画書の作成と自己資金の準備に力を注ぐべきであり、融資制度の吟味はほどほどにしておくことをお勧めします。

計画がなければ借入の相談は何もできません

美容室の開業の手ほどきをする書籍を読んでみると、事業計画・創業計画を立てましょうというような真面目な説明があって、ちょっと面倒な作業だから省略したいなとお感じではないですか?
新規開業の創業資金を借りたいと考える場合には特に創業計画がしっかり立てられていなければなりません。
事業を継続している会社であれば、毎年黒字の決算で業績が好調に推移していることを過去の決算書で示せば、事業計画などなくてもお金を借りられるケースがあります。が、それでも資金使途をきちんと示そうとするならば収支見通しを中心とした事業計画を策定することは避けて通れません。
日本政策金融公庫だけでなく、事業資金を貸してくれる金融機関は融資を検討する際に必ず資金使途と返済計画をチェックします。
担保があるから取りっぱぐれがないとわかっているケースでも、資金使途が後ろ向きな融資はできない内規になっているのです。
「ちゃんと返せますから」というだけでは金融機関が納得できる説明をできておらず、彼らが望むとおりに計画を示したうえで、計画によればいくら借り入れが必要で、いくらずつ返済していけるかを説明することがマナーだとご理解ください。

創業計画を作ってみると・・・

当事務所にご相談を寄せてくださる新規開業希望者様の中には、これまでのご経験から創業計画などなくても十分採算が取れるからお金を借りたいとおっしゃる方は大勢いらっしゃいます。
それではということで、インタビューに基づいて当事務所にて収支を計算してみますと、実際にはまったく利益が期待できない出店であるとわかるケースが少なくありません。
出店してみたら予想外にお客さんが少なかったというようなことではなくて、収支シミュレーションの段階で既に赤字にしかならないという出店計画がたくさんあるのです。
ですから、創業計画を面倒な形ばかりの作業と考えるのではなく、ご自身の出店後を数字とデーターで示して、出店前に改善すべき箇所を点検する機会としてお取組みになることをお勧めします。
計画をたてて、この方針で進めようと決めたら、後は一心不乱に計画を実行するのみ。そして、1クール終了したところで経営成績を振り返り、反省し、改善プランをたててもう一度一心不乱に働く。
これの繰り返しで事業を大きくしていくわけですが、営業成績を評価するためにも、事前の計画は必要になりますね。

借入希望額も創業計画がなければ計算できない

借入申込書に借り入れの希望額を記載する欄があります。
この欄に記載する金額を、とりあえずたくさん借りたいからと、根拠なく大きな金額を記入する開業希望者様が時々いらっしゃいます。
でも、これでは面談時に日本政策金融公庫の担当者から説明を求められた時に、説得力のある説明はできません。
収支見通しを計算すると、必要な資金の総額がはっきりわかります。
そして、その必要額と、自己資金として用意している金額との差額が日本政策金融公庫への借入希望額となるべきなのです。
ということは、創業計画がなければ、いくら借りるべきなのかも本当はわからないということです。

日本政策金融公庫のひな型がありますが

当事務所にご相談にみえる美容室新規開業希望者様には、「創業計画書を最初にみせていただけますか」とお願いしております。
多いご回答は、「創業計画書を作っているところです」というものです。
お電話でおはなしを伺っている限り、どうやら創業計画書の作成はまだ手つかずでいらっしゃるご様子なので、2週間ほどの期間をおいて創業計画書のドラフトだけでも作成した上で当事務所にお越しくださるようにお願いすることになります。
そうしますと、当事務所にはじめてお越しになる際には皆様だいたい創業計画書を作成してご持参くださるのですが、ほとんど場合、日本政策金融公庫の創業計画書のひな型に文章と数字をなんとなく書き込んだだけの状態でご持参なさいます。
やっつけ仕事というのでしょうか、やらされている感が滲み出ています。
とりわけ金額で示す収支見通しの部分は帳尻の合わないケースが多く、当事務所にて修正のお手伝いをする場合も、はじめから計算を積み上げていく作業をご一緒させていただくことになります。
こんな杜撰な計画で出店しようとしている様子を公庫の担当者がみたら、きっと融資できませんと言うだろうなと思いながらも、創業計画書を作成することがお借り入れを希望なさる皆様にとって思いのほか難しいことなのだとは理解しています。
実際に創業計画書をどのように作成すればよいかと考えてみたいと思います。

美容室を出店するまでの準備と開店後の日々の営業について考えていることをメモすることから始めます

融資の申し込みをする際に創業計画書が必要になるからということで、いきなり日本政策金融公庫のウェブサイトからダウンロードしたひな型に創業計画を書き込んでいこうとするから上手くできないのです。
公庫のひな型に書くのは清書です。
その前段階として、下書きをすることが必要です。
公庫の創業計画書の書式は1ページしかありませんが、下書きは考えていることをたくさん書いて、そこから記載内容の取捨選択を行って要約がひな型に落とし込まれるように書くのが上手に作成するコツです。
美容室を開業しようとしたら、検討しなければならない事項は100を超えます。開業までに何を検討して何をすべきか、一度じっくりお考えになってみてください。

出店に必要となる初期費用は漏れなく計上

まずは、店舗内装と什器機材などの見積書を集めます。同時に、テナント賃借にかかる契約書を入手し、必要な差入保証金と前払家賃と仲介手数料等の金額については不動産会社から計算書を受け取ります。
これらについては値引きが期待できるでしょうから、出店時に必要なすべての支出を網羅して書き出して、その総額を圧縮する方向で各業者と交渉します。
最終的に創業計画書に記載する金額は、すべてのイニシャルコストを値引き後の金額で合計した金額となります。
ところで、美容室開業時の初期費用として、内装費だけでなく広告宣伝費の予算をたくさん確保していただきたいというのが当事務所の考えです。
美容室でお勤めでいらっしゃるので、集客がどれだけお金のかかることであるかは皆様よくご理解なさっているのですが、いざ、ご自身が独立開業なさる場合は資金不足気味な上に、馴染みのお得意様がいらっしゃることもあり、新規顧客の開拓の費用を初期費用としてあまり確保なさいません。
それでも何とかなるだろうというお考えのようです。
そのような見通しで美容室を開業なさいますと、必ず売上高の不足に見舞われます。
とりわけ、看板が認知され集客効果をうむまでの3ヶ月間は広告宣伝を頑張る必要があります。
開業時広告宣伝費を初期費用として創業計画に入れて頂けますと、公庫もお金を貸しやすいですし。

開業後の収支見通しを検討する

収支の計画を立てる場合も下書きをしてから清書をするという手順で行います。
収支の計画については、エクセルなどの表計算ソフトを利用して作成します。
公庫の創業計画書のひな型では、創業当初の収支と軌道に乗った後の収支の2つを記載するだけでいいことになっていますが、この2本だけを計画すればいいということでは決してありません。
開業準備の月から毎月の収支を計算しなくてはなりません。
エクセルの一番左側のコラムには、上から順番に売上高、パーマ材等業務用ヘアケア品仕入高、諸経費(人件費、家賃、水道光熱費など費目ごとに細かく分けます)、支払利息、税金を設けます。
エクセルの一番上の行には、左から右に201X年X月、201X年X+1月、201X年X+2月、201X年X+3月、201X年X+4月、と計画月を並べていきます。
そして、各月の売上高、パーマ材等業務用ヘアケア品仕入高、諸経費等の金額を入力していきます。
このうち、創業当初の月の数値と軌道に乗った後の月の平均数値を創業計画書の該当欄に転記します。

創業計画計画書に記載した売上高や材料仕入高の金額は根拠を示せなければなりません

ところで、上記のように作成する収支の計画ですが、エクセルの各セルに入力する数値(金額)には根拠がなくてはなりません。
例えば、売上高の計算については、客単価×来客数の算式で求められますが、この客単価と来店数をきちんと予測する必要があります。
公庫が参考資料として提供してくれている創業計画書の書き方を読むと、売上予測は、客単価と席数と回転数の積で求めることとなっています。
これを昼と夜とについて計算して合計すると1日当たりの売り上げが算出できるので、これに営業日数を乗じて1ヶ月あたりの売上を予測するとなっているのです。
確かに、美容室の売上高を概算で求める時にこの算式はよく利用されます。
けれど、これから初めてのお店を出そうとする際の見通しの立て方としてはこれでは少し物足りなさを感じます。
もし、美容室の売上高を予測する場合は、曜日別の来客数、イベント毎の客単価と来客数、シーズン毎の客単価変動を想定して、各月の売上高の金額を予測することは最低限必要です。
季節によって来客数が変動することを考慮しなくても公庫に提出する創業計画書は記載できますが、実際の美容室経営はできません。
パーマ材等業務用ヘアケア品仕入れについても同様に、売上高に対応する金額を細かく予測しなくては、収支見通しをの精度は上がりません。
諸経費のうち人件費については、従業員別に月給や時給が決まっていますので、各人別に毎月の人件費を予測できます。この時、社会保険料等の法定福利費まで計算して収支に反映させることが必要です。 他にも水道光熱費や家賃など全ての費目について根拠をもって予測して収支に反映していきます。
開店前ですと、どうしても全ての費目を網羅的に計上することが難しいこともあり、公庫の創業計画書には「その他」として概算額をまとめて計上する方法が採られていますが、そのような大雑把な計算では、営業を始めてから想定外の支出が多すぎて経営に行き詰ります。

開業資金を借りられるかはどうかは自己資金の額で決まります

日本政策金融公庫から美容室の開業資金を借りられるかどうかは、自己資金の多寡で決まると申し上げてもいいくらいです。
お金がないからお金を借りに行くのです。そうすると、これは少し矛盾しているような気もしますが、自分でも一定のリスクを負わないとお金は貸してもらえないという仕組みなのです。
もし、新規出店に2,000万円かかるとして、その内の1,600万円は自己資金があるから、足りない400万円だけ貸してくださいと公庫にお願いした場合、公庫の担当者も非常にいい心証を抱いてスムーズに融資してくれることでしょう。自分で8割がたのことを準備した上で、残りほんのわずかだけ公庫に力を貸してほしいとお願いする取組姿勢に好感が持てます。
反対に、新規出店にかかる2,000万円のうち1,600万円を貸してほしいと申し込まれた公庫の担当者は、お金を貸していいものかどうか、これは迷います。
これまでの営業成績がないわけですから、日本政策金融公庫の担当者としては、創業計画通りに経営されるかどうかは全くわかりません。
そうなると、開業しようとする人を評価するには、これまでの経歴と自己資金の額をみるしかないのです。
特に自己資金の額は、借入を申し込んできた人の開業への真剣度合いが推し量られます。
社会人になった時からいつかは独立開業することを目標にして、カットの技術の取得に努力して、資金もコツコツ貯めてきた人であれば、開業後も一生懸命に事業に取り組むのではないかと期待されます。
何の準備もなく、開業のための資金を貯めることもなく、人に使われるのが嫌だから独立開業したいといって公庫に創業資金の借り入れを申し込みに来た人物が信用を得にくいのは誰の目にも公平な判断と映るものです。

半分以上を自己資金で用意するのが理想

では、どの程度自己資金を用意するのが望ましいのでしょうか? いろいろな考え方がありますが、一般的には新規開業に必要な資金の総額のうち、半分を自己資金で用意しているのが理想的です。必要な額の半分を自己資金で用意できるケースはあまり多くないかもしれません。
けれど、その後の返済のことを考えますと、これくらいの自己資金の負担が適切です。
実際に、日本政策金融公庫に借り入れを申し込んだ場合でも、自己資金で用意している金額と同額を貸してほしいという申し込みはスムーズに通るケースがほとんどです。
もう少し自己資金の割合が低い場合はどうでしょうか?
新規開業に必要な資金の3分の1を自己資金で用意している場合も、公庫からのお借り入れができています。
では、新規開業に必要な資金総額の4分の1だけ自己資金が用意してある場合はどうでしょうか? お借り入れが無理という事ではないようです。どのあたりに審査の基準がおかれているのかは定かでありませんが、結果にはバラつきがあります。
もっと自己資金が少ない場合、それでも開業資金を日本政策金融公庫に貸してもらう方法が一応あります。その方法をここに書くことは資金調達の専門家として少し恥ずかしいので、お知りになりたい方は直接メールフォームからお問い合わせください。

自己資金のハードルはこのところ下がってきています

自己資金がたくさんあるほど美容室の開業資金を借りやすいとはいえ、実際には創業の際に手許に潤沢な資金があるということは少ないものです。
このところ、日本政策金融公庫もその点は条件を緩和する方向に動いています。
例えば、新規開業時には「新創業融資」という融資制度を利用して無保証人でお金を借りるケースが一般的ですが、これに関しても、自己資金の要件は段々下がってきて、現在では、創業資金総額の10分の1以上の自己資金があればよいというルールになっています。
ただ、実際には、創業資金総額の10分の1ギリギリの自己資金で残りの10分の9(すなわち、自己資金の9倍のローン)を借りられたケースにはほとんどお目にかかりません。

たくさん借りると開業後の返済が厳しい

あたりまえのことですが、自己資金をたくさん準備して美容室を開業したほうが、後々の返済は楽です。
売上高から諸経費を差し引いた残額から、さらに法人税・所得税を差し引いた税引き後の利益から返済しなくてはならないため、実際に経営を始めてみると、思ったほど返済原資はないものだと感じるものです。
また、個人事業を営んでいらっしゃる場合、税引き後の利益から、さらに事業主の生活費を差し引いた残額から返済しなくてはならないため、返済原資はきちんと計算しておかないと捻出できません。
そういうことを考え合わせますと、できればお借り入れ時の自己資金の比率は高めておかれることがおすすめです。
もっとも、自己資金が多い方がいいといっても、開業を目標に勤務美容師をしている時代に貯金を2倍、3倍と増やすことは難しいでしょう。
そうしますと、美容室の開業にかかる資金の総額を圧縮することを考えるのも一法です。
とりわけ、開業時に負担が重いのは店舗賃借にかかる差入保証金です。
これは寝かせておくだけのお金ですから、できればビルオーナーと交渉してこれを減額してもらうか、差し入れるのを分割にしてもらうなどの軽減策を検討するとよいでしょう。

まずは、ネットで申し込んで面談を受ける

創業計画書もできたし、自己資金の準備も整った。さあ、日本政策金融公庫に借りに行こうと考えた場合、何から始めたらよいのでしょうか?
日本政策金融公庫からの借り入れのお手続きについては、公庫のウェブサイトに詳しく解説されています。
詳しすぎて、概略がつかみにくいほどです。
公庫からのお借り入れが決まるまでのお手続きを簡単に申し上げれば、
「公庫のウェブサイトから申込み」
 ↓
「面談日が決まり、持参すべき書類一覧が公庫から郵送されてくる」
 ↓
「面談」
 ↓
「融資決定の連絡が公庫からある」
 
という非常に簡単なものです。
創業業計画書の作成が済んでいれば、何も面倒なことはないのです。

面談日までに書類を準備することでも間にあいます

借入申込みに際して作成すべき書類は、
(1)借入申込書 → 5分もあれば記入できます
(2)創業計画書 → 練りに練った計画を要約するだけです
(3)見積書・契約書 → 業者さんが作成してくれるものです
(4)会社登記簿謄本 → 会社で開業する場合だけ法務局の機械で簡単発行
だけで足ります。
(ただし、一般貸付になってしまう場合は、推せん書も必要です)
借り入れを急ぐ場合は、必要書類を準備するよりも前に、ウェブサイトから申込みだけを先に済ませておくことができます。
創業計画書の作成が完成に至っていなくても、収支の見通しが立った段階で、お借り入れの希望額がわかりますから、その段階で申込みはできます。
そして、日本政策金融公庫で面談を受けるまでに1週間程度の時間がかかりますから、その間に必要な書類を揃えればいいのです。
新規開業時の融資については、公庫への提出書類のほとんどは、開業希望者様がご自身で簡単に作成できるものばかりです。
ですから、面談までに書類が揃うかどうかはご自身でお分かりになるはずです。
設備の見積書と不動産賃貸借契約書だけは外部の業者から入手することになりますので、これについては早めに手配しておきましょう。
なお、個人事業ではなく会社として開業する場合には、原則として会社の登記簿謄本を面談時までに提出することを求められます。
これについても時間が無い場合は、設立登記の作業を進めながら公庫の面談に臨み、会社設立中ですと説明することでもよいとする支店もあります。
公庫のウェブサイトをみて、必要書類を全て揃えてから申込みをしようとするかたも大勢いらっしゃいますが、時間のない場合には少しだけ順番を変えてみましょう。

提出書類の記載内容を取っ掛かりに質問がある

日本政策金融公庫の面談時には事前に、または、当日に借入申込書、創業計画書などの資料を提出しますので、まずは、面談担当者がそれらに目を通しながら記載事項について話題をふってきます。提出した書類を話題のきっかけにして、色々聞いてみて融資可否を判断しようという意図で質疑が続くのです。
テーマは大きくわけて2つ。
現在の状況と、今後の見通しです。
美容室の新規開業の場合ですと、現在のお仕事の状況とご経歴から、起業に至る経緯を聞かれます。
ほとんどの開業希望者のかたは美容室にお勤めですので、勤務先の業種業態とほぼ同じ開業を目指される限り、公庫の担当者も違和感をおぼえることはありません。
日本政策金融公庫への提出書類の出来栄えは美容室の新規開業希望者の方々に限ればそれほど見栄えのするものを提出なさる方は多くありません。
デスクワークはご経験のないかたが多いわけですからこれは当然です。
公庫の担当者も美容室の開業希望者のかたにプレゼン資料の出来栄えを期待することは全くありません。
書類の出来栄えが月並みで、経歴も美容室勤務を続けていらっしゃるご様子がわかって、現在のローン残高が少なければ、当たり障りのない評価を得て、ご希望通りのお借り入れが実現できているようにお見受けします。

資金使途が本当に説明通りかチェックされている

美容室の開業に限ったことではないのですが、日本政策金融公庫の国民生活事業の窓口に借り入れを申し込む人の中には、カードローン等高利の借り入れの借り換えをもくろむ人が少なくありません。消費者金融やカードローンの残高が増えてしまい、金利も高いので、公庫からお金を借りて、消費者金融等のローンをいったん全て返済してしまおうと考えるひとが大勢いるのです。
日本政策金融公庫は、他のローンの借り換えのための資金は貸さない決まりになっていますので、「消費者金融に返すためのお金を貸してください」と正面からお願いしても絶対に貸してもらえないのですが、美容室開業資金を借りることにして公庫からお金を借りようとチャレンジする人があとをたちません。
日本政策金融公庫の国民生活事業の担当者は、こういったルール違反の申込者でないことを面談で判断しようとします。
面談時に資金使途について質問を掘り下げていくと本当に開業するのかどうかはわかりますので、面談でも資金使途は詳しく説明を求められます。

預金通帳は残高の多いものが望ましい

美容室を新規開業するための資金の借り入れの場合ですと、開業希望者個人の預金通帳を持参するように言われます。
会社を設立して開業する場合でも、オーナー経営者個人の預金通帳を持参してくださいと言われますから逃れられません。
日本政策金融公庫の国民生活事業の面談において、預金通帳は非常に重要な資料としてチェックされます。
その理由は、預金通帳は何より借入申込者の状況を雄弁に語ってくれるからです。
提出書類や面談でどんなに恰好のいいことをアピールしていても、預金通帳からはあなたの経済状態が丸わかりになるからです。
預金通帳をみれば、借入申込者の申告通りの自己資金が本当にあるかどうかはすぐにわかります。
何年もかけてお給料から生活費を差し引いた残額が少しずつ貯まって行っていることがわかる預金通帳が最高とされます。
自己資金を急に300万円現金入金していたら、公庫の担当者から一時的に借りてきただけじゃないのかと疑われます。
さらに、カードローン等の借り換えのために開業資金借入を公庫に申し込んでいるのではないかという点も預金通帳を見ればよくわかります。
ですから、できるだけ、預金通帳の残高がたくさんある状況をアピールするように心がけましょう。

公共料金の引き落としもチェックされる

預金通帳の過去の履歴を見ると、残高の多寡以外にも、お金を貸して問題ない人かどうかがわかる点があります。
それは、水道光熱費や通信費などの公共料金の引落としの状況です。
自宅の水道料金の支払さえ滞っている人に日本政策金融公庫はお金を貸そうとは思いません。
自宅の家賃の支払いも遅れることがあるようですと、お金の管理にルーズな人の烙印を押されてしまいます。
こういったことは預金通帳に残りますので、普段から各種の支払いは期日通りに行うよう留意しましょう。
なお、公共料金の引き落としが遅れた事実を預金通帳から公庫に知られることがないようにと、自動引き落としを申し込まずに、コンビニエンスストア等で現金で毎月支払う方法なら問題ないでしょうかというご質問を頂くことがあります。
日本政策金融公庫の国民生活事業の面談では、公共料金の領収証を持参するように依頼されますので、このような小手先の対策は意味がありません。
当事務所にご相談にみえる方の中に、「電気料金の領収証など保管していません。いつも捨てています」とおっしゃる方が時々いらっしゃいます。
開業を意識し始めたら、自己資金を貯めるだけでなく、領収証もためるようにしなくてはなりませんね。

担保だけでは審査に通らない

当事務所にご相談にみえた方から、ご両親がお住まいの実家の土地建物を担保提供すれば公庫から開業資金を借りられますかというご質問を頂いたことがあります。
担保だけでは、お借り入れ可能かどうかは判然としません。
日本政策金融公庫に限りませんが、金融機関は融資する際に、資金使途を非常に重要視します。
借りたお金を事業の拡大に充て、その後一定のタイムラグがあって資金が増えて会社に戻ってきて、税金を払った残りで返済をするという循環が起こることが見えていなければならないのです。
金融機関の中でも、お堅い銀行や信用金庫はそういうスタンスです。日本政策金融公庫も同じです。
回収ができるなら、どんな目的で借りる人にでもお金を貸しますということではないのです。
担保があるのだから、資金使途とか創業計画などという面倒な資料の提出は避けたいという場合には、アサックスのようなノンバンクにお借り入れを申し込むことで資金調達が可能です。
日本生活金融公庫の国民生活事業では、そもそも数百万円といった少額の事業資金の貸付けばかりを行っていますので、抵当権設定登記などの手間をかけてまで担保をとってどうにか保全するというような回収を前提としていません。
会社の財政状態や資金使途を前提に融資の可否を検討し、金額が大きい場合や回収に若干の懸念が残る場合に、それら懸念を解消する補完材料として担保を考えています。

保証人だけでも審査に通らない

当事務所にご相談におみえになった方から、ご高齢のお母様を保証人にしたら公庫から開業資金を借りられますかというご質問を頂いたことがあります。
これはあまり高い評価を公庫から得られません。
商工ローンは連帯保証人の信用力に基づいて事業資金を貸し付けるということでひところ話題になりました。
お堅いスタンスの金融機関は、担保にのみ着眼して事業資金を貸し付けることがないのと同様に、保証人の資力に依拠して貸し付けるということはしません。
しかも、ここ数年、中小企業への貸付けについては代表者個人の連帯保証をとらないことが望ましいと考える流れが銀行などにもみられます。
日本政策金融公庫からのお借り入れについても、代表者個人の保証を必要としない融資の限度額が年々大きくなってきています。
借入申込書に保証人の有無を記載する欄がありますが、保証人なしでのお借り入れを希望することで何ら問題ありません。
回収に若干の懸念が残る場合に、それら懸念を解消する補完材料として保証人を考えています。

創業計画が完成していても融資を受けられるまでに3週間はかかる

日本政策金融公庫の国民生活事業のウェブサイトには、「よくあるご質問」というコーナーがあります。
公庫から美容室の開業資金をお借り入れなさる場合は、是非一度ご覧になってください。
ここに、融資までに要する期間のFAQがあります。
「Q.4 借入申込をしてから、融資が決まるまでにどれくらいの日数がかかるのでしょうか。」
という問に対して、
「A4.お申込みいただいた後は、迅速に対応させていただきます。ご融資が決まるまでの平均所要日数は2週間程度(土日、祝日を含む。)です。」
という回答が掲載されています。
でも、これは融資が実行されるまでの期間ではありませんので注意が必要です。
実際には、公庫のウェブサイトから借り入れ申し込みをして面談までに1週間かかり、面談から融資可否の回答があるまでにさらに1週間かかるのが通常スケジュールですので、借入申込から融資が決まるまでが2週間ということです。
融資してもらえることが決まってから契約書に調印して融資実行を受けるまでにも日数がかかりますので、スムーズに進んで3週間後にお金を借りられるとお考えいただくのがよろしいかと存じます。

借入申込までにかかる日数も考えておきましょう

当事務所にお借り入れのご相談にお越しになる事業者様の場合、資金はすぐに借りたいのだけれど、申込のための書類を作成するのには時間がかかりますとおっしゃるケースが少なくありません。
美容室開業のためのご相談を受けた場合には、創業計画書を作成するのに1ヶ月以上かかるケースが多いです。
特に、出店するテナントも具体的に決まっていない状況ですと、どこにお店を出すかというところから計画しますので、内装や厨房設備の見積もりを取るなどしますと、創業計画書作成を1ヶ月では全然間に合わないということもあります。
借入申込のための資料(創業計画書)作成に1週間だけかかったとしても、日本政策金融公庫からのお借り入れには合計で1ヶ月かかることになります。
初めてのお借り入れには相当時間がかかるものとお考え下さい。

資金使途を説明しやすいタイミングで借りておく

美容室は現金商売だから、開業してしまえば資金繰りに困ることはないとお考えではいらっしゃいませんか?
或いは、資金繰りが万一厳しくなったら、それから慌てて借りに行けばいいとお考えではいらっしゃいませんか?
開業後に資金繰りが悪化して、日本政策金融公庫からすぐにお金を借りたいと思っても、3週間は手続きに時間がかかってしまいます。
しかも、融資をお願いしたとして、必ず借りられるという保証はありません。
日本政策金融公庫から借りるならば、資金使途を説明しやすいタイミングであらかじめ借りておくとよいでしょう。
資金使途を説明しやすいタイミングというのは美容室のような現金商売の場合、設備投資をする時に限定されます。
在庫をたくさん抱えるビジネスではありませんから、仕入資金を貸してほしいというのは理由になりにくいでしょう。
雇用を増やすというのも、美容室が現金商売であることから、説得力のある資金使途にはなりにくいようです。

新規開業の場合は、開業準備前に借りておく

美容室の開業時に創業資金を借りるのであれば、計画段階の早い時点で日本政策金融公庫に申し込んでおきましょう。
テナントとの契約や内装工事を急ぐあまり、手許にある資金で取り敢えず開業し、その後、日本政策金融公庫にお金を借りに行くというケースは珍しくありません。しかし、このタイミングでのお借り入れは少し困難です。
日本政策金融公庫の担当者からは、創業計画よりも大幅に売り上げが下振れしたのではないかと余計な詮索をされ、開業そのものが不適切だったと切り捨てられることがあります。出店してから借りに行ったのでは遅いということを覚えておきましょう。

公庫から借り増しを打診されたら迷わず借りる

日本政策金融公庫から融資を受けて開業した後、順調にお店が儲かっていると、借りたお金を半分程度返した頃に、日本政策金融公庫のほうから再度お金をかりませんかという連絡をもらえることがあります。
返済した金額と同額を貸し出すから、創業時のローン残高まで戻しますという提案が多く、それ以上の額までの借り増しを打診されることもあります。
このタイミングを逃してはなりません。よほどのことがない限り公庫から融資を受けられますので、是非積極的にお借り入れしてみてください。

会社だから借りやすいということはない

当事務所にご相談にみえる美容室開業希望者の方々からよく受けるご質問として、個人事業で開業するよりも、会社を設立して法人としてお金を借りる方が日本政策金融公庫から借りやすいのでしょうかという法人・個人選択に関する論点があります。
結論から申し上げますと、美容室開業の場合、会社にしても個人事業で始めても、日本政策金融公庫からはお金を借りられます。個人事業だとお金を借りにくいなどということはありません。
これは、日本政策金融公庫のなかでも国民生活事業の窓口が融資している対象は、数百万円の資金を借りれば足りる小規模な事業体ですから、コストをかけてまで会社にする必要はないと公庫が認識しているからです。
会社を設立するには登録免許税などの費用がかかります。
合同会社ですと7万円もあれば設立できますが、株式会社の場合は30万円を超える費用が発生します。
税務申告なども、個人であれば自分で所得税の申告書を作成できますが、会社の場合は法人税申告書を自分で書くことは難しすぎます。税理士に依頼せざるを得ませんから、数十万円の費用が発生します。
このように、法人にすると色々コストがかかりすぎます。
開業後すぐに行き詰る会社さんも少なくありませんから、余計なコストを掛けることなく、開業してしばらく経って事業規模が拡大してから会社にすれば良いのです。

ただし、会社であればリスクは軽減される

融資を受けやすいか否かという観点からは、個人事業で開業しても問題ないのですが、事業失敗のリスクを考えた時には、最初から会社で美容室を開業するのも悪くありません。
例えば、日本政策金融公庫は新創業融資という融資制度を設けていて、これは会社の代表者さえも保証人にならなくてもよいという仕組みです。
この新創業融資を会社で受ければ、もし、起業に失敗した場合も、あなたは会社に出資した資本金相当額の損失を被るだけですみます。
個人事業としてお金を借りていた場合は、自己資金として用意した元手に加えて、公庫からの借り入れをその後も返済することになります。
ですので、起業に失敗した際のリスクヘッジを考えるのであれば、数十万円のコストをかけてでも会社を設立しておく方が良いといえるでしょう。

返済期間は5年が一般的

日本政策金融公庫の融資を申し込む際に提出する借入申込書には、「ご希望の返済期間」を記入する欄があります。
ここを何年と書くのが望ましいですかというご質問を頻繁に頂戴します。
美容室の開業資金の申込の場合、5年と記入して頂くことをお勧めしています。
理由は、日本政策金融公庫は美容室の開業資金をなんとなく5年返済で融資することが多いからです。

長期であるほど借り手に有利

金融機関からお金を借りる際の返済期間は長いほど借り手にとって有利であるとされています。
急いで返済するのは難しいことですが、ゆっくり返済することは、仮に資金に余裕がある場合は預金しておけばよいだけなので易しいことです。
例えば、ご自宅の住宅ローンはみなさん35年でお借り入れなさるケースが多いと思います。
ご年齢が高い場合や、購入する建物が相当年数を経過する場合は35年より短いローンしか組めませんが、新築物件を若いご夫婦で購入なさる場合の住宅ローンは35年で組まれます。そして、臨時収入などがあり資金に余裕ができた場合は繰り上げ返済をして金利負担を減らすことを選択肢として持っておくわけです。
事業資金も同様です。
できるだけ長期で借りて、手許資金に少し余裕を持たせるくらいがちょうど良いのです。

どこの都道府県・市町村でも制度融資を準備しているが・・・

美容室の開業について解説された書籍には、最後の方に資金調達について解説が書かれていることが多いようです。そういった書籍をご覧になってから当事務所にご相談にみえる美容室開業希望者様は、日本政策金融公庫と制度融資の両方が解説されていて、「じゃあ、どっちが借りやすいのですか?」というご質問を投げかけられます。
これはもう、絶対に日本政策金融公庫のほうが借りやすいです。
制度融資は借りられないこともありませんが、ハードルは公庫より間違いなく高いです。
制度融資については、お住まいの「都道府県名+制度融資」でインターネット検索してみてください。
例えば、「東京都 制度融資」と検索すれば、東京都産業労働局のウェブサイトがヒットします。
ここを読むと、「東京都の制度融資は、東京都と東京信用保証協会と指定金融機関の三者協調のうえに成り立っている融資制度で、都内の中小企業者が金融機関から融資を受けやすくするための制度です。東京都の制度融資を受けるには東京信用保証協会の保証が必要になります。」と解説されています。
東京都だけでなく、各都道府県・市町村が地域の中小企業者に対して、経営を安定させるために融資制度を設けています。これらの制度融資は都道府県・市町村によって内容が少しずつ異なりますが、制度融資の大まかな仕組みは、信用保証協会の保証付きの銀行借入れです。取扱金融機関になっている銀行や信用金庫から融資を受けるのですが、都道府県や市町村が取扱金融機関に対して預託金を預けていて、この資金が貸付に充当されるなど都道府県・市町村の支援があるので、借り手には条件が有利なものとなっています。

信用保証協会の審査は公庫のそれより厳しい

先の東京都産業労働局のウェブサイトの解説には、「金融機関から融資を受けやすくするための制度」とありますが、本当に借りやすいのかというのは判断に迷うところです。
「融資を受けやすく」というのは、普通の中小企業が正面きって銀行に融資を申し込んでもなかなか借りられないけれど、制度融資の場合はそれと比較すると銀行から借りやすくなりますよという程度のものでしかありません。
制度融資を受ける場合には、信用保証協会の審査を受けなくてはなりません。
実は、この信用保証協会の審査が低いハードルではないのです。
信用保証協会の担当者によって審査にバラつきがあり、通常であれば借りられるケースでも信用保証協会の審査に通らないことが時々あります。
信用保証協会の審査は、事業計画、とりわけ収支見通しを日本政策金融公庫の審査よりも厳しく判断しますので、美容室の開業を希望する方々にとっては少し借りにくというのが実情です。

事業計画を練り直す

美容室の開業資金を貸してほしいと日本政策金融公庫に申し込んでも借りられないことはよくあります。
その場合には、面談時の担当者の様子から、何が原因で借りられなかったかがわかります。
借りられない原因は、(1)収支の見通しが甘く創業計画実現が見込み薄であることとと、(2)自己資金が不足していること、のいずれかであるケースが多いようです。
もし、創業計画が不十分で借りられなかった場合は、ある意味ラッキーです。
なぜなら、公庫の審査に落ちてしまう水準の計画で出店しても、ほとんどの場合で売上予算は未達となり早々に廃業しなくてはならないからです。
失敗する可能性が高い不十分な計画で開業してしまうことを避けられたとポジティブにとらえましょう。
この場合は、改めて創業計画を練り直しましょう。
おそらく、収支見通しを検討するに際して、売上高の予測の根拠が不十分であったか、経費の予測において当然発生すべき費用の計上が漏れているかの、ひとつ又はふたつにあてはまっています。
売上高や経費の金額をカンで当てようとするのではなく、開業するお店を取り巻く環境や顧客動向から理論的に推定計算することが必要なのです。
収支の見通しを根拠あるものに修正して創業計画を作りなおしたら、日本政策金融公庫に再申込みしてみましょう。

自己資金の不足を解消する

日本政策金融公庫の融資審査が通らなかった原因が自己資金の不足にある場合、その対応策は自己資金を充実させる以外にありません。
もし、現状での収入を貯めていくことで自己資金が工面できるのであれば、その方法でもいいでしょう。
その場合は、数カ月から1年以上の期間がかかります。
関係者から出資を受けるなどすることで、自己資金を充実させる方法もあります。
ご親族からお借り入れをした場合、その金額は公庫の審査において自己資金として認めてもらえます。
これらの場合は、比較的早期に公庫に再申込できるでしょう。

意外と多いカードローンの利用

カードローンでお金を借りて美容室を開業する方は意外と多いようです。
カードローンで借りられる金額など、100万円から200万円程度でしかないため、美容室の開業資金としては足りないだろうと思うのですが、居抜き店舗でお始めになる場合でテナントの大家さんの協力が得られる場合などは、カードローンでもなんとか開業できるようです。
金利が日本政策金融公庫や制度融資のそれよりも随分高いですが、借りやすさを優先するかたは少なくありません。

カードローンで開業後ご相談いただくと・・・

カードローンで借りて開業してから当事務所にご相談にみえるかたもいらっしゃいます。
ご希望は2種類あります。
ひとつは、カードローンの金利はもったいないので、金利の安い日本政策金融公庫で借換えしたいというご相談です。
もうひとつは、少ない資金で開業して支払いが厳しいので公庫から借り増ししたいというものです。
1番目の公庫への借り換えですが、これはできないルールになっています。
公庫に資金使途を借換えですと説明した時点で面談は終了。お金は貸せませんと言われてしまいます。
2番目の公庫からの借り増しですが、これも難しいです。
なぜなら、公庫からはカードローンの借り換えに資金を流用するのではないかと疑われるからです。
結局、一度カードローンで借りてしまったら、いったんはお店の利益でカードローンを完済してからでないと、日本政策金融公庫とはお付き合いしにくい状況に陥ってしまうということです。

美容室を開業した場合に税務署等に提出する書類

国税庁のウェブサイトをご覧いただくと、開業時に提出すべき書類について詳しく解説されています。
 
個人事業として開業する場合の提出書類
タックスアンサー No.2090 新たに事業を始めたときの届出など
 
会社として開業する場合の提出書類
タックスアンサー No.5100 新設法人の届出書類
 
これらは全て税務署(国)への提出する書類ですから、これらの他に都税事務所等にも書類の提出が必要となります。
税務署に提出する書類に関しては、一定の期間内に正しく選択して提出することで税金が安くなることが多いため、本当は税理士に依頼して(多少の費用が発生しても)きちんと検討してもらうことをお勧めします。(このウェブサイトでは、美容室開業時の資金調達にフォーカスをあてて解説していますので、ここでは説明を省略させていただきますね。)
ただ、開業時の資金調達に関連して、必ずご検討いただく必要があるのは、消費税及び地方消費税の還付を受けるか否かという点です。

出店時に払った消費税を国から払い戻してもらうことができる

消費税の仕組みは難しいのですが、概略は国税庁のこの説明がわかりやすいでしょう。
 
タックスアンサー No.6101 消費税のしくみ
 
ここに解説されている4番目の納付税額の計算の解説に注目してください。
「消費税の納付税額は、課税期間ごとに売上げに対する税額から、仕入れに含まれる税額と保税地域からの引取りに係る税額との合計額を差し引いて計算します。」
とあります。
仕入れに含まれる税額を差し引いて計算します、というのがポイントです。
ここにいう仕入れには、美容室開業時の店舗内装や厨房機器の購入が含まれます。
ということは、美容室開業時の店舗内装やチェアの購入時に支払った消費税は、開業したお店が国に納める消費税の額から差し引かれるということになります。
ここで、消費税の仕組みが納税者思いな点は、売上に対する消費税額よりも、仕入れに含まれる消費税額のほうが大きい場合、差し引かれる金額の方が大きいわけですから、納税額はマイナスとなり、このマイナスの金額は税務署(国)が美容室(すなわち、あなたです)に返金してくれるというところにあります。
これを消費税の還付といいます。
ただし、消費税の還付を受けるためには、消費税の課税事業者になっている必要があります。
そして、消費税の課税事業者になった後に、免税事業者になりたいと思っても、いったん課税事業者を選択した場合、2年間は継続を強制されるなどの制約があるため自由に免税事業者になることは許されません。
そうすると、消費税の還付を受けることが有利なのか不利なのかは、開業時の消費税還付額だけでなく、具体的な前提条件を把握した上で3年程度の将来予測を個別に検討しなくてはならないことになります。
消費税の還付を受ければ美容室開業時の初期の資金繰りを改善できますが、税理士等の専門家でなくては正しい結論を得ることができないため、是非専門家にご相談なさることをお勧めします。

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